ご挨拶
NAISTでは平成24年度より文科省「ナノテクノロジープラットフォーム事業」に参画し、学内の先端共通機器の外部共用を推進して参りました。一方、近年のデータ科学の発展に伴い材料技術にAI技術をはじめとする情報技術を取り込むマテリアルインフォマティクスが大きく進展しています。これに伴い研究データの蓄積や利活用を進める仕組みづくりが強く求められています。このような背景のもと、令和3年度より新たに「マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)事業」が実施される運びとなりました。本学では、「ナノテクノロジープラットフォーム事業」において活躍しました幅広い共用設備に加え、ARIM事業においては新たに最新の分析・計測機器を導入、共用設備運用してきております。マテリアル研究プラットフォームセンターではそれらを専門に対応する技術職員を配置、全国の25機関とともに材料研究の変革を目指してARIM事業を推進しております。
本事業では先端研究設備の共用を通じた研究支援とともに、利用研究に伴い創出される研究データの共用に向けた環境を整備し、ARIMセンターハブである物質・材料研究機構(NIMS)が主導するデータ共用事業への展開を進めます。令和5年度よりデータ収集事業を始動しており、令和6年度からは本格的なデータ収集に取り組んでまいります。また、これらデータの利活用に関しましても令和7年度からの運用を見据えた準備がなされております。本ARIM事業の円滑な推進に向け関係各位のご理解とともにご支援をたまわりますようお願い申し上げます。また皆様の設備利用ならびにデータ登録に関してて使いやすいメニューや仕組みづくりに取り組んで参ります。皆様のお問合せやご利用とともに、事業運営に関しましてご助言やご意見などをお待ちしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年4月1日
マテリアル先端リサーチインフラ事業 NAIST実施責任者
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 教授
マテリアル研究プラットフォームセンター 教授
河合 壮
令和3年より始まりました「マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)事業」は、大学等の保有します共通機器の学外開放により得られたデータをデータサイエンスを活用したマテリアル研究に資することを目的としました、我が国として独自にデータ蓄積を行う野心的な国策事業でございます。NAISTでは物質創成科学領域の教員及び学生の実施します研究に対応するためマテリアル研究プラットフォームセンターが管理・運営しており、センターの立場から皆様にご挨拶申し上げます。
令和6年度は、皆様にご利用いただくべくセンター管理下にある30機種の科学機器をARIM事業においてラインアップしております。これらの機器は、センターに所属している担当の技術職員により管理され、機器の状態を常にベストなものとすることを心がけ、学外利用者の皆様に学内利用者と同等の技術提供を行なって参ります。年間約50件の学外研究課題を通じて個々の技術職員が多様な試料に関する経験を積み、年々そのスキル及び知識が拡張されてゆく状況を嬉しくまた、誇るべきことと認識しております。本事業によりまして、対応します技術職員の尚一層の知識やスキルの向上にも期待をするものです。
令和3年度をもちまして終了しましたナノテクノロジープラットフォーム事業からARIM事業へと実施事業は移行致しましたが、これまでのような形で技術提供は継続して参ります。もちろん国の政策としてこれにより得られる科学データをデータベース構築に提供するという本来の目的に対応しまして新たな取組みに努力して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年4月1日
マテリアル研究プラットフォームセンター長
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 教授
浦岡 行治